今回は訪問当事(2006年・2007年)に確認出来た専用線と廃線跡を紹介します。
まずは貨車ファンの方には有名な貨車解体線です。酒田港をまたぐ陸橋の上から全景を見る事が出来ました。ここは仙台港や半田埠頭と並ぶ廃車になった私有貨車たちの最期の地の一つでした。
訪問した日はコキ5500がここで最期の時を待っていました。
なんとも物悲しい光景でした。
隣接した解体業者敷地と線路の間には壁代わりにタキ車の輪切りやワキ車の車体がずらりと並べられており、一種異様な光景でした。
こちらは山形県営公共臨港線です。酒田港の最奥にある大浜埠頭まで線路は伸びており、かつてはここに花王酒田工場専用線や東北東ソー化学酒田西工場専用線等も接続していたそうですが、訪問時は引き上げ線として使用されていた酒田港駅付近の一部を除き、既に使用されている形跡はほとんどありませんでした。
大浜埠頭の終端部です。
酒田港駅に隣接した元山形食糧事務所酒田政府倉庫にもかつては専用線が接続しており、線路の一部と遺構が残っておりました。
写真では分かりませんが、2列に並んだ倉庫の間に線路が敷かれておりました。
こちらは終端部です。車止めが見えます。
これらの倉庫は既に使われていませんでしたが、戦前から存在していたそうです。壁面や柱には雲形迷彩が施されており、ここが戦争の生き証人である事を主張しておりました。(ちょっと不気味ですが・・・)
“たばこをのむな”の看板に時代を感じます。
ここには酒田臨港開発のスイッチャーが2両在籍しており、専用線及び公共臨港線の入れ替えを担当しておりました。
まずはメインの協三製20t機です。ロッド式の古めかしいタイプでした。雪国らしく大きなスノープローを装備しておりました。
こちらは予備機の協三製15t機です。こちらもロッド式です。丸っこい外観がなんともかわいいスイッチャー君でした。(いままで見たスイッチャーの中で一番好きかもしれません。)
専用線は無くなってしまいましたが、酒田港駅自体は健在ですので、またいつか訪問したいと思っています。
【おまけ】
解体線にいたコキ5500をよ~く見ると・・・。 “日本国有鉄道”や“汽車会社”や“若松車両センター”、はたまた“輪西貨車職場”
など今では存在しないシブイ銘板がずらりと並んでおりました。
・・・正直、欲しかったです。